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ムスベルで結婚を決めた人、途中で辞めた人の裏側を聞いて回った

成婚しました、と弾んだ声で報告してくれた女性がいた。電話の向こうで、もう式場を見に行ったんです、と笑う。その一方で、同じ頃に始めて三か月で退会した人もいる。ムスベルの評判はサポートが手厚い、年齢層が落ち着いている、といった言葉が多い。良いサービスなのは間違いない。けれど実際に使った人たちの話を一人ずつたどっていくと、評判の文句そのものより、同じサービスをどう使ったかで結果がきれいに分かれていた。決まった人と消えた人のあいだには、案外くっきりした境目がある。話を聞いたのは二十代後半から四十代まで、結婚を本気で考えていた人ばかりだ。同じ評判を読み、同じサービスを使い、片方は式場の下見に出かけ、片方は静かにアプリを消した。条件や運だけでは説明のつかない差が、そこにはあった。その分かれ目がどこにあったのか、一人ずつたどっていく。

目次

結婚観をプロフィールに書いた人から、順番に決まっていった

最初に気づいたのは、プロフィールの中身だった。決まった人ほど、自分がどう生きたいかを早い段階で言葉にしていた。

仕事の肩書きより、どんな暮らしがしたいかを書く

三十四歳の佐藤さんは、職業欄や趣味だけでなく、結婚してどんな家庭を築きたいかまで踏み込んで書いた。週末は二人で台所に立ちたい、子どもは欲しい、転勤の可能性もある。そういう生活の手触りを正直に並べたという。すると、初回の食事の時点から将来の話ができる相手とばかりマッチした。初対面のテーブルで、転職を考えていると打ち明ける彼に、つい自分の本音を返していた。気づけば二時間が経っていたそうだ。出会ってすぐ先の話ができる距離感は、それまでのアプリでは味わったことがなかった。迷ったときにはサポートスタッフが言葉選びまで一緒に考えてくれて、三か月で交際、一年後には籍を入れた。今は子育ての真っ最中で、あのとき背中を押してもらえなければ最初の一歩は踏み出せなかった、と振り返る。

三十九歳の佐々木さんも近い話をする。十歳下の女性とマッチしたとき、年齢差を隠さず、むしろ自分の暮らしぶりや考えを誠実に書いたことが効いた。年の差を感じさせない関係になり、いまは結婚の準備を進めている。年齢を気にして当たり障りなく書くより、正直に書いたほうが、届く相手にはちゃんと届く。そう話していた。二人に共通していたのは、自分をよく見せようとしていなかったことだ。転勤があるとか、子どもを強く望んでいるとか、相手が身構えそうな条件こそ先に出していた。隠して会ってから揉めるより、最初にふるいへかけたほうが早い、という割り切りがある。プロフィールは自分を飾る場所ではなく、合う人だけを引き寄せる入り口なのだと、二人の話を聞いて腑に落ちた。

返信が来ない夜を、どう抜けたか

マッチはするのに会話が続かない。これは口コミでもよく見かける不満で、話を聞いた人の何人かが、同じ壁にぶつかっていた。乗り越えた人と、そこで力尽きた人がいる。両者を分けたのは、文章のうまさではなかった。相手の一文を拾えるだけの、ほんの少しの手間と心の余裕があったかどうかだった。

定型の挨拶をやめた瞬間に、空気が変わった

三十一歳の田中さんは、始めた当初まったく会話が続かなかった。マッチはするのに、はじめまして、よろしくお願いします、で止まる。送っても既読がつかない。寝る前にもう一度だけ画面を開いて、変わらない通知欄を確かめ、そっとスマホを伏せる。そんな夜が続き、正直やめようかと思った、と苦笑する。変えたのは一点だけだった。相手のプロフィールを読み込んで、そこにある一文に触れた質問を送るようにした。山登りが趣味と書いてあれば、最近はどの山に登ったのかを聞く。それだけで返信率がはっきり上がった。最初に長く続いたのは、好きな登山ルートの話で思いがけず盛り上がった相手だった。やり取りが弾むと、会う約束は驚くほど自然に決まる。何人かと実際に会い、今は一人と真剣に付き合っている。気の利いた口説き文句より、ちゃんと読みましたという誠実さのほうが届く、というのが田中さんのたどり着いた答えだ。

逆に、そこで途切れてしまった人もいる。二十八歳の木村さんは、何人かとマッチしたものの、仕事が立て込んだ時期に返信が遅れ、そのまま自然消滅が続いた。返さなきゃと思いながら、仕事に追われて気づけば三日が過ぎている。ようやく開いた画面で、相手からの最後のメッセージを見つめ、今さら何と送ればいいのか分からなくなって、また閉じる。それを何人かと繰り返した。後で思えば、片手間で続けたのが一番よくなかった、と少し目を伏せて打ち明ける。真剣な人が多いサービスほど、こちらの本気度のなさも伝わってしまう。一度退会し、気持ちが落ち着いてから再開した。今度は忙しくても、短くていいからその日のうちに返すよう心がけている。次の相手とは順調にデートを重ねていて、婚活は無理して続けるより一度休む勇気もいる、と彼女は言う。

料金の壁を、投資と呼べるようになるまで

真剣度の高いサービスには、それなりの費用がかかる。そこで一度立ち止まった人の話が、印象に残っている。

三十七歳の鈴木さんは、有料プランの金額を見て、しばらく決済の画面から動けなかったという。婚活にここまで払うのか、という気持ちが正直あった。ただ無料の期間にマッチした女性と話が弾み、この人ともっと会いたい、と思ったタイミングで腹を決めた。課金してからは、メッセージの送り方からデートの店選びまで、担当のスタッフに相談しながら動いた。一度、二回目に進めず悩んでいたとき、誘い方が事務的すぎるのではと指摘された。次に行きたい店の名前を添えて誘ってみたら、すんなり予定が決まったという。つまずくたびに、どこでつまずいたのかを言葉にしてもらえる。一人で空回りしていた頃には、それがなかった。半年あまりで交際が固まり、そのまま成婚に至った。払った額は小さくないが、一人で何年も迷い続ける時間を買ったと思えば高くなかった。評判で読んだサポートの質が、使ってみて誇張ではなかった。それが鈴木さんの実感だ。お金で買えたのは出会いそのものより、迷ったときに引き返し方を教えてくれる相手がいる安心感だった、とも言い添えた。

落ち着いた年齢層が、焦りを溶かした

二十代向けの賑やかなアプリとは、集まる人の温度が違う。年齢を重ねた人ほど、その差をありがたがっていた。若さを競う場所では、年齢はそのまま不利になる。けれど結婚を前提にした場所では、落ち着きや誠実さのほうが先に見てもらえる。

再婚や年齢差を、引け目に感じなくていい

四十二歳の伊藤さんは、再婚を考えてムスベルを選んだ。以前に使った別のアプリでは、プロフィールを開いた瞬間に年齢で線を引かれる感覚があって、しんどかったという。返信が来ないのが当たり前で、自分の値踏みを毎晩突きつけられているようだった、と声を落とす。ここでは四十代以上で真剣に結婚を考える男性が一定数いて、年齢を引け目に感じずにやり取りできた。初めての顔合わせは、昼間の静かなレストランだった。お互いに一度結婚を考えた過去があるぶん、見栄を張る必要がなく、最初から地に足のついた話ができたという。子どもの有無やこれからの住まいまで、初対面とは思えないほど率直に話せた。半年で婚約。焦って妥協するのではなく、落ち着いて相手を見極められたのが大きかった、と穏やかに話す。

同じことを、別の角度から実感した人もいる。三十三歳の渡辺さんは、ムスベルと、もっと気軽な別のアプリを並行して使っていた。気軽なほうは出会いの数こそ多いが、結婚という二文字を出すと相手がすっと引いていく。ムスベルでは最初からその前提が共有されていて、温度の合う人とだけ話が進んだ。結婚を意識した交際に発展したのは、結局こちらだった。評判で言われる本気度の高さは、二つを並べて使ってみて初めて腑に落ちた、と渡辺さんは言う。結婚を急ぐ気はなかったが、的外れな相手と何度も会って消耗する時間は省けた、と渡辺さんは付け加える。どのアプリを使うかという入口の選択が、その後の遠回りを静かに減らしていた。

最初の一歩は、慎重すぎるくらいでいい

踏み出しやすさは利点だが、そのぶん最初の見極めは丁寧にしたい。そう実践している人がいた。

会う前に、声と顔を確かめておく

二十九歳の高橋さんは、マッチした相手といきなり会うのではなく、まずビデオ通話を必ず挟んだ。文字だけでは分からない話し方や、相づちの間の取り方を、事前に確かめておきたかったからだ。画面越しに十五分も話せば、文章では穏やかでも、声にすると一方的に話し続ける相手かどうかは、だいたい見えてくる。実際、メッセージの印象と通話の雰囲気がまるで違って、会うのをやめた相手もいたという。安全の面でも、顔と声を知ったうえで会えるのは大きく、当日も身構えずに店へ入れた。実際に会った女性とは少しずつ信頼が積み上がり、交際に発展した。婚活アプリは心理的に踏み出しやすいぶん、最初だけは慎重に確認したほうがいい。それが高橋さんの持論だった。

家族の反対という、最後の関門

成婚まで辿り着いても、最後に親が立ちはだかることがある。三十六歳の中村さんは、ムスベルで知り合った男性と交際を始めたものの、親がアプリでの出会いに難色を示した。どこの誰だか分からない相手じゃないか、と父は最後まで顔を上げなかったという。食卓に長い沈黙が落ちた、とそのときのことを話す。中村さんは焦って言い負かそうとするのをやめた。代わりに、彼がどんな人で、どんな仕事をしていて、自分とどう向き合ってくれているかを、折に触れて少しずつ家族に伝えていった。一度、二人で実家を訪ねたとき、彼が父の古い趣味の話に根気よく付き合ってくれた。あの日から空気が変わった気がする、と振り返る。半年ほどで両親の表情がやわらぎ、一年後には式を挙げた。真剣に結婚を考える人が集まる場所だからこそ、相手の誠実さを丁寧に示せば、周囲の理解も後からついてきた。どこで出会ったかより、その人と何を積み上げてきたかを、最後は家族も見ていた。今はそう感じている。

コンシェルジュを頼り倒した人ほど、決まるのが早かった

ひと通り話を聞いて、もう一つ共通点が見えてきた。結果を出した人ほど、一人で抱え込んでいなかった。

第三者の目を、ためらわず借りる

三十歳の山田さんは、コンシェルジュのサービスを遠慮なく使った。自分で書いた自己紹介を見せたら、まじめさは伝わるけれど少し硬い、と指摘されたという。趣味の写真を一枚足し、語尾をやわらげるだけで、人柄が見えるようになると言われた。デートの前には、服装や話す内容の相談にも乗ってもらった。自分一人では自信が持てない場面で、第三者の視点が背中を押してくれる。整えてもらったプロフィールに変えてから、申し込みへの反応が目に見えて増え、ほどなく理想に近い男性と出会って成婚した。一人で悩んでいた時間を、相談する時間に替えただけで、進み方がまるで違った。山田さんはそう言って笑った。婚活は孤独な作業になりがちだが、隣で一緒に頭を抱えてくれる人がいるだけで、続ける力が変わってくる。手厚いサポートというのは、こうして誰かの背中を押してきた積み重ねなのだと、すべて聞き終えて思った。

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この記事を書いた人

出会い・マッチングサービスを8年以上ウォッチし、レビュー記事は累計200本以上。料金体系・年齢層・安全対策・サクラ対策まで、登録前に知っておくべき視点で比較することをモットーにしています。なんとなく良さそうではなく、根拠を持っておすすめできる情報だけを発信。あなたに本当に合う一つを見つけるお手伝いをします。

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